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大脱走のCinemanのレビュー・感想・評価

大脱走(1963年製作の映画)
4.0
『大脱走』
ジョン・スタージェス監督
1963年公開アメリカ
鑑賞日:2023年3月3日 U-next

初めて観たのは1963年08月03日
渋谷パンテオンのロードショー公開初日でチケットは300円でした。
当時(高校一年)の映画備忘録にはびっしりと物語が書いてあり、
・最高の部類。
・全然湿っぽいところがないのがいい。
・とにかくとても楽しめたし3時間なんてまたたく間に過ぎてしまった。
・マックイーンがカッコいいしコバーンとブロンソンまで出るんだから泣けちゃうよ。
などと書きなぐってありました。
当時の評価はA中でした。
サブスクで今観てもこの作品から受けるワクワク感は変わりません。
活劇戦争映画の傑作ですね。

【Story】
第二次世界大戦下のドイツ。連合軍捕虜たちの脱走事件に悩まされていたドイツ軍は脱走不可能な「第三空軍捕虜収容所」を建てた。ここには捕虜となった連合軍の空軍兵士の中で脱走常習者が一同に集められて厳しい監視下に置かれることになった。

続々と収容所に到着する捕虜の中に集団脱走計画のプロ、ロジャー・バートレット(リチャード・アッテンボロー)がいた。バートレットは収容所に入るとさっそく目ぼしい英国空軍メンバーを一堂に集めて収容所の外へ繋がるトンネルを掘って250名の捕虜を脱走させる計画を発表する。

捕虜の中にはトンネル堀に必要な道具を作る「製造屋」セジウィック(ジェームズ・コバーン)、「トンネル王」ダニー(チャールズ・ブロンソン)、資材を集める「調達屋」のヘンドリー(ジェームズ・ガーナー)、トンネル堀で出た土を処分する「分散屋」エリック(デヴィッド・マッカラム)、身分証などの書類を偽造する「偽造屋」コリン(ドナルド・プレザンス)、情報を収集する「情報屋」マック(ゴードン・ジャクソン)などのスペシャリストが揃い、前代未聞の大脱走計画がすすめられた。

一匹狼のヒルツ(スティーヴ・マックイーン)は脱走を繰り返しては独房送りになるため「独房王」と呼ばれ、独房で隣同士になったアイヴス(アンガス・レニー)と単独脱走を試みようとしていた。

1944年3月24日。前代未聞の大規模な集団脱走が実行されたのだが・・・。

【Trivia & Topics】
*史実に基づいた作品。原作は実際に第三空軍捕虜収容所の捕虜だった元連合軍パイロットが執筆したノンフィクション。発売後大評判となり映画化権をジョン・スタージェス監督がおさえた。

*『荒野の七人』がスタージェスを救った。スタージェスは自分が所属しているMGMに企画を持ち込んだが却下。その後スタージェスは何社ものスタジオやプロデューサーに企画を持ち込むがことどとく却下され続けた。しかし『荒野の七人』が予想以上に大ヒットしたために同作を製作したミリッシュ兄弟とユナイテッド・アーチスツが製作することを決めた。

*多くの映画会社から拒絶された原因。主要登場人物の大半が死んでしまうことと女性キャラが登場しないことが原因だった。

*トンネル掘削アドバイス。実際に脱走計画でトンネル掘削を担当した元捕虜ウォリー・フラディがテクニカルアドバイザーとして加わった。ブロンソン演じるダニーのモデルとなった人物である。ちなみにブロンソンは10歳の時に炭鉱夫の父親が死んだので炭鉱夫として働いている。

*脱走に成功したのは3人。現実にトンネルを抜け出て捕虜収容所の外に出られたのが79名。そのうち3名が現場で捕らえられ、脱走に成功したのは3名だけ。再び捕虜となった74名のうち50名がゲシュタポによって処刑された。

*役者たちの素顔。コリン役のドナルド・プレザンスは連合軍の爆撃隊にパイロットとして加わり第三空軍捕虜収容所の近くの第一空軍捕虜収容所に収容されていた。調達屋ヘンドリー役のジェームズ・ガーナーは朝鮮戦争へ従軍した際に部隊内の調達役を任されていた。マックイーンのオートバイでの疾走シーンはオートバイ狂マックイーン最大の見せ場だ。スタントを使いたくなかったマックイーンだが保険会社の許可が下りなかったため友人のバイクスタントマンのバド・イーキンズが担当した。バイクで追跡するドイツ兵に扮してマックイーンも運転している。

【5 star rating】☆☆☆☆
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