大道幸之丞

大脱走の大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

大脱走(1963年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

原題の『The Great Escape』のほうが格好いいですね。名作中の名作です。

実はもう過去2回観ています。私はメモのように過去鑑賞作品でレビューは書きません。レビューを書くなら再度しっかり観直します。

年齢を経ると視点も変わるもので、そこが自分でどう観ることが出来るのかに興味があるのです。

スタラグ・ルフト北捕虜収容所での脱走劇を描く3時間近くになる大作ですが章立てにすると4章構成でしょうか

・札付きの脱獄常習者集合
・『ビッグX』による250名の脱走作戦
・脱走開始も76名にとどまる
・勇者達の行方

時代をみるとアメリカ兵とオーストラリア、スコットランド、イギリス兵が混在しており英ソ米連合軍の時代とわかる。

個人的に面白いのはやはり欧州は陸続きの為に逃走も楽ではないということ。検問をあっという間に形成され、面通しでバレてしまう。しかし逃げ切った3名のうちの一人セジウイック(ジェームス・コバーン)のようにレジスタンスの手を借り逃げることが出来るのも陸続きの恩恵と言えるだろう。

見破られた瞬間に仲間を助けようと体当たりで妨害した挙げ句撃たれてしまう。アシュレー=ピット(デヴィッド・マッカラム)の場面はグッと来る。

用意周到に進められた作戦も一人のヘマによって台無しになる場面は社会人として味わい深い。

ヒルツ(スティーブ・マックイーン)が最後にドイツ兵のバイクを奪って逃走する場面は、もう捕まるのは時間の問題と諦念があるなかで、バイクを自在に運転している事そのものが彼にとって「自由」を象徴し、五体で感じている唯一の抵抗だったように思える。