バランシーン

シンプル・プランのバランシーンのレビュー・感想・評価

シンプル・プラン(1998年製作の映画)
3.3
ロケーションもシチュエーションも何だかコーエン兄弟(ファーゴ)っぽくて、でもコーエン兄弟より良くも悪くも生々しい感じ。

ストーリーは分を超えた欲望の結末、というよくある筋なのだけど、一番イカれてそうな兄貴が最もマトモに収斂していき、最も社会的地位も教養もありそうな弟が欲に狂っていき、尚且つ良妻賢母感出してた弟の嫁が最も強欲で狡猾、という皮肉の効いたオチ。

敢えて高尚に言えば、ソクラテス的な「汝自身を知れ」という格言に辿り着くのだろう。分をわきまえる、というのは時に最も賢明な処世術。

が、しかし、映画としての本作の出来を考えると…苦しいなー(苦笑)
まず開始10分で皆が思い浮かべるだろうオチとあまり変わらないところに着地する意外性のなさ。
サム・ライミは堅実に撮ってるけど、独特の偏執的なカメラワーク等々もなく淡々とした進行。おまけに登場人物皆共感しづらく、ご都合的。
単純な勧善懲悪ストーリーになってしまったのは、90年代末っていう背景もあるのかな?
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