おとりさん

おばあちゃんの家のおとりさんのレビュー・感想・評価

おばあちゃんの家(2002年製作の映画)
3.8
シルバーウィークじゃないけど、おじいちゃんの次はおばあちゃんの映画。
共通点は、ジャケ写に騙されるな?!

本作、再見です。
公開した年に見て、韓国の田舎のほのぼのとした景色と、淡々としたおばあちゃんの日常。
それに対する、主人公の少年のクソガキっぷり(失礼)に、衝撃を受けました。

父は長男だったので、我が家にもおばあちゃんがいて、本作のおばあちゃんよりかは若かったけど、おばあちゃんあるあるがいっぱい出てくる。

うちのおばあちゃんは字は書けたけど、あまり上手じゃなかったから、書くのをいやがって、代わりに私が書いてあげた。
糸を針に通すのも、頼まれてよくやったな。
年取ると老眼がキツくなるから、上の二点は自然現象なのです。

また、田舎だったので年寄りどうしの交流がさかんで、近所のおばあさん、おじいさんが来ては、お茶のみ話。
一緒にいて、意味分からないことも多かったけど、人間関係の話も多かったので、耳学問で人とはそういうものかを学んだ。
思えば貴重な時間だったよ。

そんな私にすれば、シチュエーション的にも、演出的にも、そうならざるを得ないのかもしれないけど、おばあちゃんの孫・スンホが、おばあちゃんをバカ呼ばわりしたり、嫌がらせをしたりするのが、腹立たしくてしょうがない。

最後には、一見、おばあちゃんを大切に思う孫(ストレートに態度には表さないが)に変わるのも、ちょっと唐突感がある気がしてならない。
市場のくだりや、携帯ゲーム機と一緒に包まれたお金のせいかしら?

ネットで調べたら、おばあちゃん役のキム・ウルブンさん。
出演時は、映画を見た経験もない田舎のおばあちゃんだったそうですが、今年の4月に95歳で亡くなったそうです。

ラストの献辞、全てのおばあちゃんに捧ぐ、とあるけれど。

キムさんも、うちのおばあちゃんも、家族想いの全てのおばあちゃん、天国で安らかにお眠りください。