三樹夫

ロボコップ2の三樹夫のレビュー・感想・評価

ロボコップ2(1990年製作の映画)
3.7
相変わらずデトロイトは犯罪で荒廃していた。さらに麻薬が蔓延し、麻薬を崇拝するカルト教祖まで出る始末。またオムニ社は力を強めデトロイト市を乗っ取ろうとしていた。そんな中オムニ社はED-209があまりもポンコツなのでロボコップ2の開発に着手しており、またもや死んだ警官の脳みそを元にサイボーグを作る極悪非道なことをしているが、サイボーグにされたことで拒否反応が出るため起動後すぐに自殺してしまい上手くいかない。そこへとんでもなくゴミクズの心理学者がしゃしゃり出てきて、あのシャブ中のカルト教祖の脳みそ使おうぜとなり、ロボコップ2ことシャブコップが爆誕。ロボコップ対シャブコップの戦いの火ぶたが切って落とされる。

監督は『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』の人になり、前作にあった人が動いているか物語が進んでいるかのハイスピードな編集は影を潜め結構オーソドックスになっている。オーソドックスっていっても脳みそ摘出手術のシーンとか変に悪趣味だけど。何故かフランク・ミラーが脚本で入っているのでその影響なのか。
前作はロボコップにされたマーフィーの悲哀のシーンは一瞬で終わり、後はやたらハイスピードな編集と異常なバイオレンス度というウェットのウの字もないやたらドライな狂った映画だったが、今作ではマーフィーの悲哀が比較的掘り下げられている。つってもストーカーしてたぐらいで後半からはろくに触れられないけど。まあ元妻と子供とか悲哀とかのドラマを延々やられても面白くなさそうだし全然オーケーではある。
大企業が全てを支配するコーポレートアメリカを戯画化して描いているが、そこまで大ウソの世界でもないような。前作では会議でわざとらしい拍手したりするクソみたいな奴がいたが、脚本を書いたエドワード・ニューマイヤーによるとユニバーサルの会議にそっくりとのとこで、実際の映画会社もMBAを持ってるだけの奴が入ってきて映画における小者のクズムーブを現実世界で本当にかましていたらしいし。この映画ではゴミクズの大企業会長、弁護士、心理学者が出てきてマジでこいつら全員死なねぇかなと思うが、心理学者の会長への媚びっぷりと威を借る狐っぷりがやたらリアルというか、実際にあんな奴がいてそういう奴から体験した腹立った言動をぶち込みました感がある。
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