不在

ボーイ・ミーツ・ガールの不在のレビュー・感想・評価

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)
3.8
当事者と傍観者。
自尊心と虚栄心。
老いと若き。
他人が心に入り込んでくるのを受け入れたい自分と、拒絶したい自分。
主人公アレックスは、それら全ての狭間で揺らいでいる。
確固たる自分という実存を求め、曖昧な部分を否定したくなる。
それを実現させる為に他人を巻き込む。
自分を見出す為だけの愛だ。
映画の最後では舞台のように幕が開いた部屋で、彼の愛した女性は自殺してしまう。
当事者としての自分からは彼女の自殺に見えるが、傍観者としては自分が彼女を殺してしまったように見えるこの陶酔し切ったヒロイックな感覚こそが、若さの証なのだ。
不在

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