憲

オーロラの下での憲のレビュー・感想・評価

オーロラの下で(1990年製作の映画)
3.7
え、想像してたより良い作品だった。
狼達が獲物を狙って雪原の中、ロングラン走り回って仕留め、群れが集まり容赦なく顔や身体を食いちぎる。なかなかにリアルだった。
罠に引っかかり怪我をしている所の部分的な箇所や表情、逃げようとしている狼の撮り方も良かった。
シベリアを舞台に壮大な自然をバックに、昔ながらの画質だったから余計に雰囲気出てた。

ブランが『狼王ロボ』にも似ているなぁと思った。
アルセーニーとブランの絆は良かった。

質のいい毛皮を見せるのに、ウォッカのビンに、するりと滑り落ちる毛皮のシーンが印象的。綺麗だった。目玉を打ち抜いているので、体のどこにも傷のない、最高級の毛皮で、腕のいい猟師にしかできない技だと主張する役所広司さん。

制作費10億円のうち肉代が7000万円。オオカミ何十頭を飼育するのに冷凍肉ではダメで、血がしたたる肉でなければダメというソ連側の説明だった。またオオカミは飼育されているものが既にいるわけではなく、シベリアの原野に棲息しているのを捕まえることから始める。その後、調教を少しずつ行うが、映画でソリを引くことになる白銀のオオカミは飼育犬と野生のオオカミを合わせた混血のオオカミを使った。捕獲→飼育→撮影と3年がかりの計画であった。オオカミを馴らすという試みは当時世界でソ連しかやっておらず、いかにオオカミを馴らすかが見所の一つとなる。

↑これ知って観ると余計に面白かったかな。
憲