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約束の土地のRIOのレビュー・感想・評価

約束の土地(1974年製作の映画)
3.9
過去は亡霊と見なして道徳は迷信と嘲る
伝統の地が睨みをきかせて彼らを罵る

ポーランド ウッジの工場地帯に自分たちの工場を作ろうと野心に燃えるポーランドの士族カルロ*ユダヤ人モリツ*ドイツ人マックス
設定が国籍の違う男たちというのがポイント 何もアイデンティティのない彼らを支配するのは富と権力
無一文から出発している彼らが最後まで裏切らず出し抜かないので観ていて嫌な感じはない

「悪霊」ほどの混沌はなかったけどピーター・グリーナウェイかと間違えるくらい気色の悪い人間が鬼のように出てくる
ダイヤモンドに埋もれた貴婦人は顔色悪すぎて破滅していくであろう浪費家たちに死相が見える

家柄や家族を顧みない魂を失わせる大きな流れに対してワイダが悪魔祓いをしているのか
機械が簡単に繊維の大量生産を可能にし人間を簡単にミンチにもする無感情が安部公房的

3人は大損害を乗り越え結局は旧資本家たちの後に連ねていく
ストライキの赤い旗への冷酷さが失ったものが巨大であることを示してた
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