odyss

ホット・ロックのodyssのレビュー・感想・評価

ホット・ロック(1971年製作の映画)
2.5
半世紀前の映画。
BS録画にて鑑賞。

刑務所から出所したばかりの男(ロバート・レッドフォード)が妹の夫などと組んで性懲りも無く犯罪行為に手を染める話。
と言っても、アフリカの某国代表者の依頼で、その地域で産したダイヤモンドを、現在収納されているNYの某博物館から奪って欲しいという依頼。
そのアフリカ某国に言わせれば、そもそもそのダイヤは我が国のものなのだから、と。

こういう設定、欧米の帝国主義批判を取り入れていて、なかなかいいんじゃないでしょうか。
この映画が作られたのはアメリカで公民権運動や反戦運動が盛んだった頃ですけど、そういう雰囲気を反映した作品になっているのです。

といっても、ダイヤを取り戻そうという計画は挫折の連続だし、その辺はトホホ感も漂っています。
喜劇になりきれず、むろん『ミッション・インポッシブル』みたいな緊迫感もない。
どうなのかなあ、と思って見てました。

話が面白くなるのは最後のあたりになってから。
銀行の貸金庫が舞台となるのですが、銀行の貸金庫ってこういう仕組みになっているのかと、感心しながら見てました。
言うまでもなく、私は銀行の貸金庫なんかに縁がない人間だからです。
その意味で、庶民にとっては社会勉強になる映画です(笑)。

もう一つ、面白いのは、ヘリコプターでNYの空を飛び回るシーンで、世界貿易センターのツイン・ビルの建設中の姿が拝めること。
このツイン・ビルが2001年の9.11テロで崩落したことは知られているとおりですが、1960年代末から建設が始まって、1972年と73年に完成したのです。この映画は1971年公開だから、つまり建設中に撮影がなされている。
そういう時代性をしっかり備えた映画でもあるわけですね。
odyss

odyss