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黄色い星の子供たちのmhのネタバレレビュー・内容・結末

黄色い星の子供たち(2010年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

群像劇と思ってたら、途中から出てくる看護婦が急に視点人物になって驚いた。
同じ年に作られた「サラの鍵」の姉妹編みたいな内容だけど、こっちのほうがヴェルデイル事件についてのダイジェスト感が強かった。
ごまかそうとした父親の所在が、子どものうっかりでバレてしまうのが嫌だ。子どもってそんなにおろかなもんかね? 題材が題材なだけに子どものせいにするのはどうにかして欲しかった。
いっぽう同じ創作でも「神みたいな消防隊員」は大歓迎。こういうひとたちがいたことがわかるだけでも良かったし救われる。
終盤ドゴール派を名乗る医者が出てくるんだけど、ドゴール派がレジスタンスの一派という認識がないひとには、ホロコーストにやたら詳しいあの医者の立場がよくわからなかったんじゃないだろうか。
没収されるくらいなら貴重品はトイレに捨てるくだりははじめて見た。
シャワー室はなかった。あれは精神的に来るので助かった。
ユダヤ人と看護婦が大正義すぎてかえって嘘くさかったり、ちょいちょい挿入されるヒトラーのシーンも必要な気がしなかったり、焼却炉がまだできないことを伝えるナチス親衛隊の向こうで死体の山であろうものが燃えていて(「サウルの息子」で見た場面)どんなところで電話してんだよつっこまざるを得なかったりと、こまごまとしたところでバランスがあやういんだけど、なんだかんだで面白い。
好きなのは「サラの鍵」のほうでした。
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