伊達巻

2/デュオの伊達巻のネタバレレビュー・内容・結末

2/デュオ(1997年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

鈍痛。身体も心もどよーんとする。台詞はともかくカメラもあんまり追いつけてない即興演出が故の不完全さに合わさってくるジメジメキリキリのギリギリ生活。やっと受け入れられて安定してきたなってところを再び持ち出されてめちゃくちゃ居心地がわるい。終始やめてくれぇと思うし即興台詞だからってわけでもないけど「ああおれなら彼女に彼にこう伝えたいのに」と自己満足をかなえたくなるし、そういうもどかしさが消えない。もうダメだ状態。二層式洗濯機が仕事を終えるのを待ってる時間だけがなんか落ち着いてしまうような日々。どうにも、現実味ないっすよ、である。もとより一人で暮らしていたのなら、もう少し部屋は、物理的な意味のみならず整っていたんだと思う。なんで惹かれあってんのかはいまいちこちらは理解できない、楽しくなりそうなシーンでもなんかすれ違ってるしずっとこっちが「どうしたの」って聞きたいが、どうしてそうなっているかはよくよくわかっているのである。彼女はともかく彼の難癖はやはり「労働」という生活の「軸」を失っていたことにある。何も労働でなくても、物をかいたり本を読んだり、あるいは愛のまさぐりだったり、いろいろ軸のひとつとなるものはあるだろうが、うだつのあがらない彼には「悪くねぇ」と言える何かが必要だった。彼が本当に愛が故に結婚を申し出たかどうかの答えなんて自明で、だから不安定な時期の愛と、安定してからの愛、これが比べられちゃう感じになりそうな展開、好きじゃなかった。綺麗な部屋と扉から覗く木々が綺麗だなと思ったばかりに…また、どよーんが始まるのかなぁ、としか思えなくてどよーんとした。愉快に生きたい…
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