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2/デュオのimpreのレビュー・感想・評価

2/デュオ(1997年製作の映画)
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同時代の『Unloved』『おかえり』に似た題材だけどこれが一番人間の核心に迫っていると思う。やっぱりキャラクターの内面に関しては役者が1番正しい。
シーンのあとに「なんであんなこと言ったの?」っていう監督のインタビューが入るの、このやり方ならアニー・エルノーの小説みたいなことが映画でできそう。

あるシーンが正確に現実としてあれば、もうそれで映画として成立するんだということ。『Unloved』や『おかえり』と違うのは、2人の内面と関係が(それがお芝居だとしても)生のものであるというだけで、映画として意味を持っていること。あるカップルの関係が壊れて修復されるという出来事の連なりは、世界中のどこにもありふれた凡庸な出来事であって、とても映画の題材にならなそうなものであると同時に、現実の中で起こり得る最もドラマチックな出来事でもある。それを映画に耐え得るドラマにするためには、出来事を限りなく現実に近づけなくてはいけない。それをこの映画ではやっている。プロットだけ見たら足りないものが多いんだろうけど、何も足りなくない。
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