東朴幕院

ハイウェイの東朴幕院のレビュー・感想・評価

ハイウェイ(1964年製作の映画)
3.5
スティーヴ・マックイーンが『大脱走』で成功した後に出演した作品がこれ、直後に『シンシナティ・キッド』に主演する。
本作の主演格は『オーメン』のリー・レミック、当時はとても可愛らしい美形な女優だったね。本作は、所謂、更生して幸せになろうとする男が自らの性格でその希望も失ってしまうものだ、リー・レミックの薄幸ぶりと、それでもめげずに娘と生きて行こうとする強さを印象的に演じていた。
一方でマックイーンの役であるヘンリー・トーマスは、仮釈放の身でありながら身元引き受け人の養母と約束した夜学に通うなどせずに夢であるカントリー・ロカビリー歌手で成功する事に固執してしまう。また、酒場での喧嘩で一度は夢を諦めて夜学に通うと決意するが、養母の死をきっかけに夢を追いかけると同時に自暴自棄になっていく。
ここいら辺のマックイーン演じるヘンリーの性格が実に無軌道で突飛無く映っており、もしかして性格に何か欠陥を抱えているのでは?思えるものだ。ロバート・マリガン監督なのにと思ってしまった。もう少し人物形成を掘り下げても良かったかと。
マックイーンはここで珍しくギターを弾きながら本作品の原題である『Baby, The rain must fall』を歌う。しかし、これは明らかに口パクだったね。マックイーンは音楽方面は特に才能を持っていた訳でもなさそうだったしね。
しかし本作における白眉はマックイーンのファッション!ジーンズLevi’s 501とLeeのデニムシャツの組み合わせがこれ程似合う男はいないと思わせる素晴らしさだった。
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