のりまき

ジェヴォーダンの獣ののりまきのレビュー・感想・評価

ジェヴォーダンの獣(2001年製作の映画)
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2時間越えの豪華絢爛フランス絵巻。ジェヴォーダン地方に現れた謎の獣とその退治の顛末。正直日本人にはさっぱりピンと来ないその謎は置いといて、綺羅星のような役者の輝き。
まず、狼を友とし自然と一体化するマニを演じるマーク・ダカスコス。野生でありながら野蛮ではないその佇まい、身のこなし。カッコイイ。
訳ありげな高級娼婦にモニカ・ベルッチ。その美しい肢体を惜しげも無く晒し、絢爛な衣装をスマートに着こなし、印象的な仕草で画面を彩る。
狂気じみた兄、ヴァンサン・カッセル。皮肉っぽくて高慢で好戦的な厄介な貴公子。(なんなんだろうね、この夫婦!)
もういかにもなフランス冒険小説の登場人物でワクワクしちゃう。
展開も実にフランス的で、好み。

また最大の推しポイントが、全てがトマという老侯爵の回想であること。この作品の良心とも言えるトマが最後に追い込まれる運命とは!

報われぬ魂と地獄落ちの魂の物語。
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