Mikiyoshi1986

唐獅子警察のMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

唐獅子警察(1974年製作の映画)
3.6
今日は中島貞夫監督の82歳の誕生日です。おめでとうございます!

東大の文学部卒業という高学歴にして、東映では(特に70年代)物凄い異質な輝きを放った作品を数多く連発。
そんな中でもこの「唐獅子警察」は中島エッセンスの良いとこ取りが如実に表れている作品なのではないでしょうか。

腹違いの兄弟による、現代のヤクザ同士が血で血を洗う骨肉の争い。
しかも兄が小林旭で弟が渡瀬恒彦とかもうヤバすぎでしょう…。
タイトルなんて毎度の岡田茂が無理矢理つけたんじゃないかというような適当なモノですが、
内容は中島自身が学生時代から傾倒していたギリシャ悲劇の影響を臭わせる代物で、そこに現代ヤクザの抗争劇を添加。

どこかコミカルで、シリアスなシーンでも拍子抜けな音楽を持ってきたり、ガチなのか悪ふざけなのか微妙なラインで攻めてくる演出だったり、中島作品には彼にしか出せぬ素晴らしい味があります。

安藤昇のあの棒読みに不自然な関西弁の組み合わせはヘンテコ過ぎてまじで最強。
狂犬・渡瀬恒彦の欲望のまま突き進む成り上がりも観てて楽しいし。
小林旭は借金のゴタゴタで次第に歌手業に専念していき、映画の出演が少なくなるわけですが、もっと彼のヤクザ映画が観たかったなぁと常々思います。

ラスト、小林旭の仰天(?)ハンドルテクニックは必見!
その「終」を眼に叩きつけろ!!
Mikiyoshi1986

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