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達磨よ、遊ぼう!のMelkoのレビュー・感想・評価

達磨よ、遊ぼう!(2001年製作の映画)
3.8
ヤクザ×坊さん 異色の組み合わせな佳作。

カチコミを受け、逃げに逃げて寺へ辿り着いた極道5人。頼み込んで1週間かくまってもらうことに。極道に生きる粗暴な5人は、寺の規則も守らず修行僧に迷惑やちょっかいをかけてばかり。そんな彼らを煙たがる修行僧たちは、あの手この手で出ていかせようとし、ついにはタイマン対決に…

出ていかせたい修行僧VS出て行きたくないヤクザ
自分たちの都合で身を寄せておいて我が物顔やりたい放題なヤクザに最初は嫌悪感なのだけど、やぶれかぶれ全力投球の禅問答あたりから、おや?と思えてくる。
何より、一生懸命で仲間思いな兄貴分ジェギュが魅力的。初めは坊さんや住職相手に粗暴な態度なのだが、自分の考えを改め寺の役に立とうと奮闘する。忠義に厚い性格、世話になり一度信頼した相手のことは何があっても裏切らない、尽くす。何より仲間を大事にする。勝負に負けたら潔く認める。後半は、そのまっすぐな性格と行動が活きてくる。

子分達それぞれや僧侶達もなかなか濃いめのキャラ付けで、名前は覚えられなかったがちゃんと一人一人印象には残ったし、それぞれが冒頭に蒔いたポイントも最後にサラッと回収。

ヤクザが主人公だが舞台が寺のため、バイオレンス描写はほぼ無し。かと言って思いっきりコメディに振り切れてるかと言うとうーん…だけど、ちょっぴりホロリとさせられる場面もあり、、終盤の展開はお決まりではあるがグッとくるものがある。
コンパクトでテンポ良い展開なので、見始めたら引き込まれ、一気に見終わった。

僧侶達も修行の身、闘争心のある人間臭いところがリアリティあったかな。

「自分の修行だけやっても、仏の道には近づけぬ。」
ありがたいお言葉。

続編もあるそうで…気になる。
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