おなべ

ゲド戦記のおなべのネタバレレビュー・内容・結末

ゲド戦記(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

賛否両論ある中、個人的に感動したのでこのスコアを叩き出した好きなジブリシリーズランキング沢山ある同率2位の中の1つ。

命の尊さ、儚さを教えてくれた作品。

街の風景などの描写が色彩豊かで美しい。
作品の中に遊びなどはなく、命を題材にしているだけに深く重い印象を受けた。また、主人公アレンやテルーに自己探求のイメージを抱いた。

誰しも必ず一度は経験する自己探求、まだ未成年の2人はその年齢と複雑な環境もあり、自身との葛藤に苛まれる1番悩める時期で、互いに助け合いながら答えを見つけていく2人に心を打たれる。

この映画をワンランク上に引き上げたと言っても過言ではないのが、主題歌と挿入歌。歌っているのはテルーの声優を務めている《手嶌葵》さんで「テルーの歌」と「時の歌」。

きちんと意味が込められていて、「テルーの歌」には人の持つ孤独感や、見てくれる人や守ってくれる人がいない、それが普遍的になっていく孤独…そんな孤独と自由について歌われていて、孤独に生きていく事が、どんなに辛いのか考えさせられる。

また「時の歌」で出て来る歌詞 "生まれ消えていく儚い命、風に抗いながら1人生きてるキミへ、命には始まりがあり終わりがある、忘れないで、いつの日か死んでしまうキミよ" は個人的に刺さりまくった。この歌を自分や周りの人に置換し命や人生を客観的に見ながら聴いてみると、切なすぎて泣けてくるんだよなぁ。
おなべ

おなべ