ヒデ

鉄塔武蔵野線のヒデのレビュー・感想・評価

鉄塔武蔵野線(1997年製作の映画)
3.2
「9月になれば離ればなれになってしまうことを、僕はあきらに打ち明けることができずにいました。それは、あきらと分け合うことのない、僕だけのはじめての秘密となったのです」

鉄塔武蔵野線の71号から1号を目指し、小学生ふたりが自転車で旅をするロードムービー。若かりし頃の伊藤淳史が、90年代の田舎を旅する様にエモさを感じずにはいられない。ひぐらしの鳴く夕暮れや、小学校のプール、サッカー少年団のユニフォームなどを観ると、自分の少年時代に戻ったような気持ちになる。自販機で売られているドリンクですら懐かしい。

しかし、こういう牧歌的な映画はもう撮れないんじゃないかな…。90年代の夕焼けは、今では味わえない郷愁があった。
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