湯っ子

吉祥天女の湯っ子のレビュー・感想・評価

吉祥天女(2006年製作の映画)
3.8
中学生の頃読んだ原作が本当に衝撃的で、それでいて哀しさ切なさ優しさがあって大好きだった。
絶世の美女で、誰もが心を奪われる不思議な魅力の持ち主小夜子を、映像化したら誰が演じられるだろう?というのは、原作を読んだ時からずっとあれこれ考えたものだ。栗山千明がデビューした時には、小夜子いた!と興奮したのを覚えてる。残念ながら、私の脳内映画だけで終わったけど…

この映画が作られていたことは、最近になって知った。小夜子に鈴木杏…正直、う〜ん…って感じだった。でもとりあえず観てみたら、これがなかなか良かった。もちろんかわいいんだけど、ルックス的にはちょっと微妙なところもあるのに、演技力でそれをカバーする妖艶さがあって、鋭い目元や魅惑的な表情にドキリとさせられ、立ち回りのアクションもカッコよかった。内容もけっこう改変したり、チープな部分もあるにはあるけど、原作へのリスペクトを感じる。人物造形のエッセンスは原作に忠実だし、雰囲気も良く、金沢の自然も美しかった。
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