徳田秋声の原作を成瀬巳喜男監督が映画化。
大正時代には珍しかったであろう、男勝りで気性の激しいお島(高峰秀子)の物語。苦労する環境に育ち、男運も悪いながら決して男に媚びず、たくましく生きている。チャキチャキした言葉遣いと言動のせいで喧嘩はいつも取っ組み合い。あらくれとは、ぴったりのタイトル。
幸薄いながらも、気が強く情に厚い女性を高峰秀子が熱演。
ダメ男を演じる相手役には、上原兼、森雅之、加東大介。そして仲代達矢がほとんど絡まずとも好印象を残す。
不幸を不幸とも思わず突き進む、真っ直ぐで優しいお島さんがラストまでカッコよかった。