Hina

アリスの恋のHinaのレビュー・感想・評価

アリスの恋(1974年製作の映画)
4.3
アリスが歌手を目指していたことを思い出して(というか、覚えてたけど蓋してた)、行動に出るきっかけとなるのが、「夫が死んだから」って所が良い:D

男の傘の中に入った女は、代償に自分の夢を捨てている。
そんなメッセージを1974年のまだ女性が活躍してない時代に放った先見。

夫と息子といるのは幸せだった。けど、夫が死んだ時に、アリスは本人も気づかないままその鎖から解放されている。

息子を守るという使命も手伝ってるけど、自分の夢をまた追うという選択をしたのは、結局はきっと自分の為でもあると思う。

そしてそれでいいと、監督は言っている。

その証拠に、最終的にはアリスの夢を崩さずに包む男と出会いハッピーエンド。

終始、アリスという(当時からすれば)次の時代の女性像を描いた映画だと見せかけつつ、最後にデイビッドという男を出す事で、男の理想像も垣間見せる辺りがワザあり。

あと凄くイケてた、トミーの友達のオードリー。好きすぎて誰だろと思って調べたらまさかの幼き日のジョディ・フォスターだった。ww気づかなかったーꉂꉂボーイッシュで凄くかっこいい女の子。

売春ママを持つ大人びたオードリーは、息子のトミーに悪いことを教える。

そこにも何だか監督のメッセージを感じる。
いつでも男が引っ張るわけじゃない。女が男を成長させる。

辻褄の合わない台詞と表情がかえって自然で、計算され過ぎた現代映画には無い雑さがかえって美しい。

主演女優賞を獲ったエレン・バースティンも良いけど、他の俳優さんも全員いい。
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