アリスが歌手を目指していたことを思い出して(というか、覚えてたけど蓋してた)、行動に出るきっかけとなるのが、「夫が死んだから」って所が良い:D
男の傘の中に入った女は、代償に自分の夢を捨てている。
そんなメッセージを1974年のまだ女性が活躍してない時代に放った先見。
夫と息子といるのは幸せだった。けど、夫が死んだ時に、アリスは本人も気づかないままその鎖から解放されている。
息子を守るという使命も手伝ってるけど、自分の夢をまた追うという選択をしたのは、結局はきっと自分の為でもあると思う。
そしてそれでいいと、監督は言っている。
その証拠に、最終的にはアリスの夢を崩さずに包む男と出会いハッピーエンド。
終始、アリスという(当時からすれば)次の時代の女性像を描いた映画だと見せかけつつ、最後にデイビッドという男を出す事で、男の理想像も垣間見せる辺りがワザあり。
あと凄くイケてた、トミーの友達のオードリー。好きすぎて誰だろと思って調べたらまさかの幼き日のジョディ・フォスターだった。ww気づかなかったーꉂꉂボーイッシュで凄くかっこいい女の子。
売春ママを持つ大人びたオードリーは、息子のトミーに悪いことを教える。
そこにも何だか監督のメッセージを感じる。
いつでも男が引っ張るわけじゃない。女が男を成長させる。
辻褄の合わない台詞と表情がかえって自然で、計算され過ぎた現代映画には無い雑さがかえって美しい。
主演女優賞を獲ったエレン・バースティンも良いけど、他の俳優さんも全員いい。