ラピュタん

蟲師のラピュタんのレビュー・感想・評価

蟲師(2006年製作の映画)
4.1
静謐な世界観に魅力あり


画作りがとても渋く、何度か観て味わいを深めるのが本当は良いのかも
初見では、少し期待外れ感が否めないでしょうが、この作品には大きな魅力があります

全体を貫くストーリーを追ってはいけないのでしょう
原作を知らずに観ても味わいがあるとは思いますが、やはり漫画を一二冊ほど読んでおくとさらに楽しめるはずです

オダギリジョーの魅力が支えになっていますし、蒼井優さんも可憐!
なんといっても、あの壮大な世界観が描かれている大友作品なのです
地下を泳ぐ巨大なジンベイザメのような、生命の流れる川…
そこに自分の一部が引き込まれていくままにして、味わいましょう

蝶を追っているうちに、蛾の魅力の深さに気付いてしまった少年のようになってしまうのです きっと

熊本ラーメンのように、とにかく3回
味わってみることを、強くお勧めします

静かな秋の夜に、最適でしょう
長い冬なら一層きりりとするでしょう
ゆったりと鑑賞したい隠れた意欲作

傑作になり損ねたのもまた、蟲師の世界には合っているのでは?
時々見たくなってしまう作品です

休日の昼間には向かない映画だと思いますけれども
ラピュタん

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