maya

アメリカン・サイコのmayaのレビュー・感想・評価

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
4.3
ホモソに適応できなかったために精神がおかしくなってる、っていう解説を見てから鑑賞したのだけど、たしかに「狂ってるのは誰?」という結末だった。冒頭のユダヤ人差別のくだりでちょっと垣間見えるけど、ベイトマンは実はあの中で唯一もとはリベラルでマイノリティの側に立つ思考を持ってる人なんだよね。
ガワに固執するうちに中身なんて消失して、全てが抜け殻のように感じるラストは、案外都会に暮らす人は共感できるんじゃないだろうか。ビル群の合間の空を眺めた時の空恐ろしさ、無機質さがホラーの演出として機能しているけど、私の中ではガッツリ丸の内の景色と一致してしまった。
あと、ホモソ、ミソジニーの描写がめちゃくちゃリアル。「ブロンド美女はバカでメンヘラだけど、中身がある女はみんなブス、なぜなら外見を補おうとするから!」って盛り上がってるシーン、めちゃくちゃグロテスクで笑ってしまった。これ、「美人は3日で飽きるが、、」とかいうめちゃキモ言説(よく勘違いを見かけるが、全然諺ではないからな?)をフツーに通説のように会話に混ぜてくる方々はどう思って観たの?案外、ベイトマンの周囲のヤバさを分からない人が多い気がして、そこが一番怖いよ、、
maya

maya