サンドラ

アメリカン・サイコのサンドラのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

感情のない快楽殺人サイコパスかと思いきや、自分が病的なことは自覚しててそれに焦りや罪悪感めいたものは感じている。ジーナやイヴリンは傷つけてしまうからと自分から遠ざけている。感情欠如というより、自己愛性パーソナリティ障害みたいな"病んでる"人だと感じた。ただ、好みの音楽をかけながら、ステップ踏みながら、チェーンソー持って追いかけ回してにんまり笑いながら、殺してるシーンは画として単純にゾッとした。終盤は、アレンの家に行った時の不動産屋とのやり取りとか、殺人の告白をした後に会った弁護士との会話とか、あまりにも無作為で行き当たりばったりな殺人の連続とか、現実なのか虚構なのかわからなくなってきて、翻弄されながら終わった。え?夢オチパターン?とも一瞬思ったけど、最後の独白はリアリティがあったし、すべてが嘘ではないだろう、と。不動産屋と弁護士の件だけ、解説を見て納得。そして、主題もなるほど、と。ベイトマンだけでなく、他人にあまりにも無関心で物質・競争主義、肩書きや階級や立場のみで測る・測られる社会、アメリカの闇の提議。最近考える力が弱くなってきたのか、解説を見ずとも自分でここまで辿り着きたいなぁ。
サンドラ

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