掛谷拓也

アメリカン・サイコの掛谷拓也のレビュー・感想・評価

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
3.0
80年代の金持ちの退廃、クラブ、ドラッグとか雰囲気が似てると思ったら、「レスザンゼロ」と同じ原作者だった。小説が物議を醸していた記憶はあるが読んでない。イランコントラ事件の年なので86年のウォール・ストリートからソーホー、ミッドタウン、アッパーウェストが舞台。レスザンゼロはドラッグとアルコールがテーマだったが、本作は無差別殺人。2000年製作の映画で、80年代中頃のマンハッタンの雰囲気がよく伝わる。夜はこんな風に暗かったし、路地にはホームレスがいた。ヤッピーたちは大きな携帯電話で話をして、半数がタバコを吸ってる。ヒューイ•ルイス、ロバート・パーマー、ジェネシス、フィル•コリンズ、ホイットニー・ヒューストンなど80年代アメリカ音楽の蘊蓄を語りながらの殺人は様式的に解釈してほしいのか、狂ってる証拠なのか理解しづらい。名刺マウント、高級レストラン予約マウント、スーツやネクタイのブランドのマウントと当時のヤッピーのライフスタイルが戯画的で面白い。みんな表層的で他人に無関心で実存に興味がない。トランプと元嫁の話題が出てくるのも80年代マンハッタンらしい。しかし、ラストシーンだよ。どう解釈すればいいのか皆目分からない。原作を読むのも大変そうだが、ネタバレサイトでも見ようか。