このレビューはネタバレを含みます
2020
よかった。
見てぱっと思い出したのは「ファイト・クラブ」
制作された時期も近いし何か通じるものがありそう。
アメリカン・サイコ、ファイト・クラブも「アメリカなんかもうダメだ」という問題意識をかんじる。
どちらも生の実感を得るために暴力に頼るわけだが一方は個人的な快楽殺人を繰り返し、一方は戦士共同体を組織する、そしてファイトクラブではそのウォール街に象徴されるような消費社会、市場原理、アメリカ的不安を爆弾でぶっ飛ばすわけだが、アメリカンサイコの快楽殺人は有耶無耶にされ夢のように処理される。もうもはや身体性すら信じられないのだ。そしてわざわざレーガンを持ち出してレーガンだってサイコパスじゃないか、なら俺の何が問題なのか考えたってしょうがない、という風に終わる。
もはやファイトクラブのような爽快感はない。アメリカは確かにもうダメだ、だけど何をやったってしょうがないだろう何ができるっていうんだという諦観、虚無、絶望、なんでもいいがそういうのを突き付けてるという風に受け取りました。しらんけど。
2023611