クリスチャン・ベイルの体を張った演技は、とてもよかったです。エリート銀行員という勝ち組にいながら、周囲の環境から様々なストレスを抱え、それを発散する術として殺人衝動に駆られる異常者を、見事に演じきっていました。出世した同僚を自宅で殺害する時の軽やかな仕草には、思わずゾッとさせられました。
しかし、作品としては、いまいち盛り上がりに欠けている感じがしました。話が抽象的というか、展開がかなり込み入っていたので、映画として面白かったかとなると、微妙なところです。
ストレス社会に対するアンチテーゼ的な内容のため、殺害シーンも呆気ないですし、ミステリー要素も希薄なので、とにかく地味な印象の残る作品でした。