April01

悪人と美女のApril01のレビュー・感想・評価

悪人と美女(1952年製作の映画)
4.0
✨グロリア・グレアム✨
ハリウッドの内幕を描いた作品。
カーク・ダグラスが演じた主人公、憎まれながらも人の才能を引き出し利用しながらその結果として相手も成長して成功していくという、時にはレジェンドとも呼ばれるくらいの大物はたくさんいそう、とリアルに思える。
そしてその人が成し遂げたことに関わらず、晩年は人望なく失意のうちに・・・というのもよくある話。

本作ではそういう人物に関わった3人の業界人が、過去を振り返る形でストーリー展開していく点が面白い。
そして救いになるのがラストショット。憎しみで終わるのでなく、成功のきっかけになった人物へのリスペクトを皮肉な形でユーモラスに愛をこめて描いているので見終わった後の後味が良い。

グロリア・グレアムは、3パートに分かれているストーリーの最後のパートの登場人物で出番は少ないながら、彼女らしい個性あふれる情感たっぷりの演技を披露している。
作品内での彼女を表したセリフ、
繊細で印象的な現代の南部の女性の姿。
明るさと愚かさの中に傷つきやすい心を秘めている。
という描写にピッタリの素晴らしい演技でアカデミー助演女優賞を受賞。
そしてその授賞式の映像が、グロリアを描いた作品「リヴァプール、最後の恋」のラストに効果的に使われている。
April01

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