Omizu

悪人と美女のOmizuのレビュー・感想・評価

悪人と美女(1952年製作の映画)
3.8
【第25回アカデミー賞 助演女優賞他全5部門受賞】
『巴里のアメリカ人』などミュージカル映画の名手ヴィンセント・ミネリ監督作品。アカデミー賞では主演男優賞(カーク・ダグラス)など全6部門にノミネートされ、助演女優賞(グロリア・グレアム)など全5部門で受賞した。

ミネリ監督の軽快なテンポで割とシリアスに描かれるハリウッドの内幕もの。

ある企画のために集められた女優、脚本家、監督…かれらとあるプロデューサーの間に何があったのかをそれぞれが語っていく。

なかなか興味深い構成になっている。オチは若干「どういうこと?」という軽い部分があったが、喜劇を得意とするミネリ監督ならではのオチだったと思う。これはこれで。

とにかくプロデューサーは最悪。約束は守らない、役のために女優と寝る…どれも許しがたい行為を重ねる。まさしく「悪人」。こういうことってあるんだろうなぁ。憎みながらも一緒のコミュニティで生きていかなければならない。ハリウッド映画界の闇をライトに描いている。

個人的にはなかなか引き込まれるものがあった。話を聞くごとにシールズのクソさが増してくる。冗談抜きで今の映画界もそうなんだろうな。それをちょっとコミカルにオチをつけていいものか。それは気になる部分ではあった。

カーク・ダグラス、ラナ・ターナー、グロリア・グレアムという豪華スターの布陣もこの映画には効果的であり、それぞれの演技もよかった。特にラナ・ターナーがよかった。少ししか登場しないグロリア・グレアムが助演女優賞を受賞したのは正直よく分からない。
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