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四畳半青春硝子張りのtunicのレビュー・感想・評価

四畳半青春硝子張り(1976年製作の映画)
4.0
仕事にも女にもフワフワと優柔不断で心はいつも宙ぶらりんな男が主人公。車を走らせれば蛇行運転にUターンと目的地へまっすぐ進むことすらできない(しようとしない)。話自体にはあんまり興味もてないな…とぼんやりみていたけど安藤カメラマンが映し出すものすべてがいちいち素晴らしいから困ってしまう。さらに画質も良いため永島暎子が働くスーパーの商品やらフーセン男のバチェラー部屋(2畳ほどの小上がりスペースがあったり、変だけど素敵な間取り。すでに四畳半ではない)の小物やら細々した余計なものに目を奪われる。男がいない間に部屋に上がり込んだ暎子さんが、埠頭のみえる窓をあけて籐椅子に座りながら風を感じているシーンが好き。あと、一人モーテルに取り残された真木洋子がふと顔を上げると窓から観覧車がみえて、もしやと思ったら御殿場の小田急ファミリーランド。孔雀のメリーゴーランド懐かしい~。こんなに長々とファミリーランドが映っているなんてと元住人としては不倫カップルそっちのけで興奮。二人の背後に映り込んでいるチビッ子たちの一人が自分だったこともあり得ると思うと、加藤彰作品の書き割りの一部になったような気がしてジーンと感動した。

クレジットにはなかったけど、等々力のレストランジローのマネージャー役で小見山玉樹さん。
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