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四畳半青春硝子張りのにゃんにゃんのレビュー・感想・評価

四畳半青春硝子張り(1976年製作の映画)
4.2
加藤彰、いどあきお、安藤庄平、樋口康雄。なんというテンション上がる布陣。そして期待どおりのクオリティ。のっけからすごいゴダールっぽい。そんでなんかもう安藤庄平カメラが全カット素晴らしくて、目に入っただけで涙が出てしまう風景続出。大きな窓から埠頭が見える角部屋で半同棲する若い男と若い女、男との一度きりの交わりが忘れられない故郷の人妻。永島瑛子も真木洋子も東てる美も、女性陣がめちゃめちゃ魅力的で、主人公原真也の、根はそこまでクズでもないのに若さゆえにフラフラ揺れちゃうあたりも良くて、キャストもすごく見応えある。青春すぎる若い二人の甘酸っぱくまぶしい関係に絡みつくファムファタルな人妻の遅咲きな青春、樋口康雄ー!って感じのポロンポロンした曲やジャズ、横須賀ストーリーとか木綿のハンカチーフとか、音楽もすごく素敵だ。藤田敏八みたいに乾いてなくてみずみずしい、笑いながら泣きながら、ひたすらりんごをかじって、唐突に終わる青春。とにかくひたすら四畳半で青春でもろい硝子張り。佳作。これとか襟裳岬とか、ロマンポルノじゃない加藤彰もいいなぁ。
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