福福吉吉

カラーパープルの福福吉吉のレビュー・感想・評価

カラーパープル(1985年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
1909年のアメリカの南部の町で、まだ14歳の少女のセリーは2人の子供を産むが、2人の子供たちは父により他所へ送られてしまう。その後、ジョンソン家に嫁ぐセリーだったが、主人のアルバートから奴隷のような酷い扱いを受ける。セリーは妹ネティとも離れさせられ、苦難に満ちた毎日を過ごす。ある日、主人が熱愛する歌手のシャグが訪れてセリーは彼女の世話をするようになり...。

◆感想◆
人種差別、男女差別の著しい時代を生き抜いたセリー(ウーピー・ゴールドバーグ)の人生を描いており、生き地獄ともいえる人生を耐え抜く姿は観ていてとても心苦しいものがありました。

14歳のセリー(デスリタ・ジャクソン)が父から性暴力を受けて子供を妊娠・出産するところから本作はスタートしており、本作の前半は常に苦しい状況にセリーが置かれるため、かなり陰鬱な気分になりました。セリーにとって妹のネティのみが心の許せる人物だったのですが、セリーの嫁ぎ先の主人のアルバート(ダニー・グローヴァー)によち引き離されてしまいます。セリーが主人に怯えて暮らす日々の辛さが心に突き刺さり過ぎてきつかったです。

セリーにとって最大の敵となる主人のアルバートですが、セリーに対してはやたらと強気で奴隷のようにこき使います。とても夫婦とは呼べない関係でした。その一方、歌手のシャグに対しては常に弱腰で好意を示しており、アルバートの器の小ささを感じずにいられませんでした。

大人になったセリー(ウーピー・ゴールドバーグ)は極端に内向的になってしまっており、アルバートの召使いに徹する状態でした。自分の幸せを考える余裕が無かったのだと思います。しかし、歌手のシャグとの出会いにより、セリーの心に大きな変化が生まれます。ここからストーリーとして観ていて面白くなっていきました。

とにかく前半のストーリーの重さが精神的にきつかったですが、セリーとシャグの出会い以降の変化は面白かったです。ウーピー・ゴールドバーグの自分を押し殺して生きるセリーの演技はとても良かったです。

鑑賞日:2024年2月27日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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