ダイアー教授

空手バカ一代のダイアー教授のレビュー・感想・評価

空手バカ一代(1977年製作の映画)
3.5
題:我が道、極真に終わり無し
監督:山口和彦
原作:梶原一騎「空手バカ一代」
製作:1977年、東映
出演:千葉真一、石橋雅史、室田日出男、夏樹陽子、本郷功次郎

千葉真一さん主演『けんか空手シリーズ』の第三弾。
極真の大山倍達さんの半生を描いた映画。

ラストの「我が道、極真にほぉわりなし…ぬぅう」からの三戦(サンチン)リピートがむちゃくちゃカッコいい。
私見であるが「龍虎の拳」の覇王翔吼拳の動きはこの型がモデルではないかと思う。

宿敵役は石橋雅史さん。
千葉さんのライバルは成田三樹夫さんか石橋さんが似合う。

千葉さん主演の『少林寺拳法』との類似点が多い。
・戦後の貧しい日本を描いている
・戦争孤児たちとの交流がある
・身体を売って生計を立てる美女が登場する
・地元のヤクザを壊滅させる

またブルース・リーの『燃えよドラゴン』との類似点も多い。
・ラスボスとの闘いが鏡の間
ハンはそこそこ強かったが、本作の劉はクソ弱い。
・本作の主人公、大山は“力なき正義は無力だ、正義なき力は暴力だ”を体現する人物である。
類似の金言が『燃えよドラゴン』にも出てくる。
“少林寺の掟13条”には「武道家たるもの己の力と、それがもたらす結果に責任を持つべし」とあるとのこと。
しかし本作と対照的なのは『燃えよドラゴン』は
「果たして己の行使した“力”に“正義”が伴っていたのか…」
と言わんばかりの、釈然としないリーの表情で終わるところだ。