ベカオースター

パンク・ロック・ムービーのベカオースターのレビュー・感想・評価

パンク・ロック・ムービー(1978年製作の映画)
3.5
ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」のように先導者に続く煽動者の徒党の足元の屍の上に革命は達成される。パンクロックはSNSの同時性のない時代に生まれた文化なので模倣の中で個々の独自性が際立ったのが革命的だったけれど、経年の研磨で感性のエッジを削られた屍の我が鼓膜には懐古として響くのが哀しい。それでも今のオルチャン量産型やトー横キッズ等のミーム汚染された無個性若者よりは遥かに刺激的。このドキュメンタリーを見返す事は今も反骨心が失われていないかのリトマス試験のよう。暴踊るSean Maguireと最初期The Slitsのアグレッシブ演奏シーンやSlaughter & the DogsとSubway Sectライブが個人的な見どころ。