ウシュアイア

ショパン 愛と哀しみの旋律のウシュアイアのレビュー・感想・評価

3.2
[あらすじ]
幼いころより音楽の才能に恵まれたショパンは,ワルシャワ大公の圧政下でのショパンの行く末を案じた父の計らいにより、ショパンは一人父の祖国・フランスへ亡命する。

パリでは作曲した曲が全く評価されず、悶々とした日々を送っていたところ、社交界で名を馳せた女流作家・ジョルジュ・サンドと運命的な出会いをする。15歳上で、子どもをもつジョルジュ・サンドと熱烈な恋に落ちたショパンは次々と名曲を生み出していく。しかし、サンドの二人の子どもたちは、ショパンとの間に軋轢を深めていき、サンドは母としての自分と女としての自分の間で苦悩することとなる。しかし、ショパンが肺結核をわずらってしまったこともあり、サンドは一層ショパンにのめりこんでいく。・・・


Yahoo!映画でのレビューがクソミソだったので、どうかと思ったが・・・・

この作品は、ショパンの音楽家としての伝記というよりも、ジョルジュ・サンドとの交際を描いた作品である。

かの有名な『ピアノ協奏曲第1番』は、ポーランドへの告別と飛翔を込めて告別演奏会で演奏したといわれており、そんな名曲にまつわるエピソードを描いた作品を期待していたわけだが、残念ながら、サンド親子とのドロドロ愛憎劇であった。

ジョルジュ・サンドは今でいう「肉食系女子」で、娘も同じく肉食系。

レビューの評価が低い理由の多くは、作曲家としてのショパン像を期待してみたら、そうではなかったということによるものがほとんどである。しかし、ジョルジュ・サンドとの交際がここまでドロドロしていると、映画の創作物とはいえ、知らぬが仏というものである。

とはいえ、映画としての完成度は非常に高い。
時代考証というか、セットやロケ、衣装の再現性が高く(そう見える)、映像として見応えがあった。また、肖像で描かれるショパンやジョルジュ・サンドを現実のものにしたような役者の姿は秀逸である。

(2011年4月3日)
ウシュアイア

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