1と比べて冗長と言うか、展開が遅いというような印象は受けたはず。それなのになぜか見終わってみるとこちらのほうが好き。何故かまだ整理はできないが、今作でメインとして描かれていたビルやその弟バドあたりとの絡みが凄く印象的だったからなのかもしれない。
バドはアル中ろくでなし、仕事も不真面目。金にも目がない。それでいながら半蔵の刀は手放していなかったわけだし。一度はブライドを生き埋めにするほどの実力。彼は我々(ビルとバド)はブライドに復讐されて当然だというニヒリズムなところもある。かといってあっさり殺されるようなことはない。
しかしその最後は意外にもあっさりと。
あたくしはこのバドに何とも言えない親しみがわく。ならず者でも、彼は何か秘めた信念があったのかもしれないがそれは語られない。残されていた刀から勝手に思い込むしかない。でも彼は欲望には忠実ではあったんだろうな。これは自分が抱いてるマカロニウエスタンの魅力的なキャラクターのそれととても被る。ならず者なりの信念を持ち、しぶとくそれでいてあっけなく死ぬ。あくまでも個人的な感想ですが。
ラストのビルとのシーンも大好きだ。和解なんかしないんだけど複雑な感情が渦巻くあのシーンは見応えがある。カンフー的でありながら、マカロニウエスタン的なハードボイルドさもびりびり感じる。そりゃどっちかが死ぬしかないんだけど、単純な憎しみとは違った関係、感情。
タランティーノ監督に惚れてしまう作品。そういう印象。
