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悪魔の毒々パーティのkuuのレビュー・感想・評価

悪魔の毒々パーティ(2008年製作の映画)
3.6
『悪魔の毒々パーティ Dance of the Dead』
原題 Dance of the Dead
製作年 2008年。上映時間87分。
『ヘルワールド 地獄のスナイパー』のG・ビショップ監督が描く青春コメディゾンビホラー。
墓掘り人の役(カメオ)は、ジェームズ・ジャレットのために特別に書かれたそうな。

モテない、サエない、イケてない男子4人組。
恋焦がれた学園のアイドルチアリーダーをダメもとで、卒業パーティに誘うも、あえなく玉砕。
悶々した気持ちを晴らすため、4人は墓地に肝試しに行くことに…。
その墓地ではゾンビが大量発生!命からがらパーティ会場に逃げ込むが、獲物に飢えたゾンビたちは、若い男女の生肉を求めて、会場に襲い掛かり、大パニックに!!!

今では、『何チャラ・オブ・ザ・デッド』がゾンビ映画のタイトルの主流かのように溢れてる。
『エクスタシー・オブ・ザ・デッド』(The Wicked、2008年)や、『ミート・オブ・ザ・デッド』(Dead Meat、2004年)の様に原題には『オブ・ザ・デッド』は入らないが、やりたい放題の邦題には『オブ・ザ・デッド』をブチ込んできてるし枚挙に暇がない。
意外なとこやと、邦題の『バタリアン』(1985年)の原題は『The Return of the Living Dead』と『オブ・ザ・デッド』なのに、あえてそれを入れずにヒットした作品も少なくはないかな。
今作品も邦題は『悪魔の毒々パーティ』とここで終わればエエのに、申し訳ない程度に邦題副題として『Dance of the Dead』をブチ込んでる。
まぁ『毒々モンスター』系にハマったヤツが邦題付けたんかな。
因みに脚本が書かれたのは1998年で、まだゾンビ映画がメインストリームに返り咲く前やったそうで(ゾンビ映画がメインストリーム以前らしく、最近のゾンビ映画とは異なり、作中、はじめの方のシーンでサイレンの音が鳴るほかは、警察官や軍人が登場したり、姿を見せたりすることはない珍しい作品)、なら、『ダンス・オブ・ザ・デッド』とシンプルにしといてもエエのになぁなんて思いながら視聴。
全体的に、今作品は驚くほど印象的で楽しいゾンビ・コメディでした。
良いとこは、全編に渡って繰り広げられる必殺のゾンビ・アクション。
墓場でのオープニングはその一部で、墓が掘られ、腕が噴出し、切断された手との戦いが始まり、霊廟での復活から墓場での大対決、それに続く車での攻撃、その結果、ゾンビが噴出する墓場から去るための本格的なレースまでがモットーであり、このシークエンスはきらびやかで、好きなものがたくさんある。
墓場が何故爆発するんかは不明ながら、墓場の地面が爆発しゾンビが噴出。
そして、そこから無事着地したゾンビはダッシュ。
かなり笑えたが実際襲われたら逃げ切れんな多分。
また、2つのグループがゾンビに対処する郊外での大規模な攻撃は、彼らの前庭や路上での戦いにつながり、最終的には葬儀場での遭遇につながる。
こそこそと中に入るところから始まり、中にいるゾンビの大群をうまく隠れるトリックを使って避けなければならず、ロックバンドのギャグ(ダルマさんが転んだみたいにロックが鳴り響いてたらゾンビは動きが止まる。理由は不明)がいい感じで盛り上がり、学校全体が吹っ飛ぶ前に大群から逃げるために必要な廊下での追いかけっこや、最後は乱闘に。
学校から脱出するためのレースでのアクションがこの作品をとても楽しいものにしている。
大混乱に気づいていながら何もしない墓掘り人(ジェームズ・ジャレット)や、ロックバンドがゾンビに対処する潜在的な手段であるというコンセプト、会話をしながら背後で大群をなぎ倒すシーン、そして、アホなジョークやツッコミの数々など、アクションに加え、ユーモアのセンス(良し悪しは観る人により変わる)にも好感が持てる。リアルとクソダサの折衷ゾンビメイクと豊富なグロ描写も相まって、細かい欠点はあるものの、この作品を支えている。
ここでの主な問題は、ゾンビが墓場では走ったり飛び出したりするように見えるが、それ以外の場所ではシャッフルして歩き回ったり、バンドの彼らに対する防御のコンセプトや、彼ら(ゾンビ)が運転できるというように、ここでの一連の行動に大きな矛盾があることから来る。
もう1つの小さな問題を挙げるなら、プロットの数が多いこと。
ここに登場する多数のキャラが、セットアップやプロットに多くの時間を割いているため、すべてを整理するのに少し混乱してしまう。
それ以外は特に問題はなくゾンビ映画として十分楽しめた作品でした。
小生は常に『対ゾンビ』を念頭に置き生きてる。
ロックがゾンビの防備になるとはこれはメモしとかなきゃ。
電池駆動ギターアンプ買おかな。
kuu

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