あまのうずめ

独立少年合唱団のあまのうずめのレビュー・感想・評価

独立少年合唱団(2000年製作の映画)
3.2
1970年初頭、柳田道夫は父が亡くなり全寮制の独立学院に転校した。吃音をからかわれた道夫を伊藤康夫が助け友情が芽生える。康夫は道夫を合唱部顧問の清野が建てる小屋に連れて行き紹介した。ある夜道夫は脱走を図る。


▶︎ベルリン国際映画祭でアルフレート・バウアー賞(新人監督賞)に輝いた緒方明監督による青春映画。ギムナジウムを舞台にBL、革命運動を絡め合唱部の少年の日々を二十四節気で刻んで描いている。

元学生運動の闘士が教員でロシア革命の背景を教え“ポーリュシカ・ポーレ”を歌わせる時点でお察しなのだが、それだけで終わっていなかったのが面白い。そこかしらに生じる矛盾や『死』についての部分が中途半端だったのは残念だった。

2000年製作ながら1970年初頭の雰囲気を十二分に発揮し、岡本喜八監督が院長役で出演を果たしていた。役者の発声には細かい岡本喜八の自身のセリフが聞き取り難いとはご愛嬌だ。そして『シン・ゴジラ』に繋がって行く作品でもある。

ラストシーンの時間変化を持たせた編集も功を奏していた。