おばけ

街のあかりのおばけのネタバレレビュー・内容・結末

街のあかり(2006年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

【街のあかり】とは何か。
夜汽車に乗って敷かれたレールの上、窓の外を見ても真っ暗闇で何も見えない……不確かで脆い、心が孤独に支配されそうになる、そんな中、一つ灯りが見える。誰かがいる。顔を合わせたことも話をしたことがなくとも、地続きで誰かと繋がっている。独りではない、という実感。

こういった人が生きていくことにとって大切な、他者との関わりの本質を描いた素晴らしい作品だと思った。カウリスマキ作品ではかなりストーリー性がある。

冒頭から、灯りのモチーフとして女性が営む質素で小さな店があり、ラスト、その女性の手を握り、心の灯火、人の体温、人との繋がりを感じ、【ここじゃ、死なない】というセリフで幕が降りる。

ラブストーリーという陳腐な表現はしたくない、これは人類愛のストーリーだ。
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