Monisan

街のあかりのMonisanのレビュー・感想・評価

街のあかり(2006年製作の映画)
3.9
観た。

敗者三部作の3作目。
主役は警備会社に勤める、コイスティネン。わりとイケメンに見えるが目が常に泳いでいて、良い。

起業を夢見ているが、どうにも難しそう。そこへいきなり女性と出会う。いきなり結婚まで話が出て、いつものまずパートナー見つかるパターンかな、と思いきや。なんか違いそう。

悪い奴らの悪巧みに巻き込まれていくコイスティネン。こんな単純な手に引っかかるなよ、と思うのだが見事に嵌められていく。

振られてショックな時に助けに来てくれる、ソーセージフードトラックの女。まずこのお店がとても良い。海辺の広場にある、ソーセージがくるくる回りながら焼かれるお店。いつかこんな店で店当番して過ごしてみたい。彼女は健気。店を閉めて、コイスティネンの自宅まで行き、毛布をかけてあげる。てか、コイスティネン!弱過ぎるだろ。

カウリマスキの映画は、ペーソスを描いているんだけど。根底には人への慈愛というか、どこか余裕あるユーモアみたいなものが流れていて。悲惨な目にあっていてもどこか愛らしく見えてしまう。

悪巧みは思いのほか悪質で、コイスティネンは裁判で有罪、刑務所へ。
裁判所にもフードトラックの彼女は傍聴に来ているし、刑務所へお手紙も。何故破る!

無事に仮釈放され、職も住処もありようやく建て直しと思いきや…まさかの遭遇からの失職。悪者の彼女は本当に情けをかけない悪人。
反撃も虚しく返り討ちに。ボコボコにされ、捨てられる。

犬の所にいた黒人少年により、フードトラックの彼女は彼の元に辿りつく。
ここでは死なないとコイスティネン、握手で終わる。てか握手なのか、まだ受け入れて無い気もするが…で終わる。

三部作でいちばん可哀想な不幸なのに、報われる幅も少ない気がしたのだけど。大丈夫か、コイスティネン。
カティ・オウティネンはスーパーのレジ役のみの登場。

アキ・カウリマスキ、脚本・監督
Monisan

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