シノブレド

街のあかりのシノブレドのレビュー・感想・評価

街のあかり(2006年製作の映画)
3.1
アキ•カウリスマキ監督の負け犬3部作の第3章作品。
「浮き雲」「過去のない男」に続く作品だが、時代背景があまりにも現代になってしまったため描写に無理が出てしまいラストはあっけないものとなったのは残念。
とくにこの三作目はもはや現代では無くなってしまい無理がある。
結果映画のラスト同様にほぼ打ち切りになってしまったと言ってもいいだろう。
自分としては二作目の過去のない男が好きなのだが三作目を期待して残念だった。
この三部作に共通して言えるのはぶっきらぼうな単発の台詞とワンシーンの美しさ、世間の冷たい切なさから立ち上がる希望。
小物も効いていて随所にマッチで火を点ける煙草と酒が出て来るのが渋い。
フィンランド映画で舞台はヘルシンキ。
どこか日本の昭和三十年代を彷彿とさせるヌーベルヴァーグに心が熱くなる。
この三作目は観なくても良いだろう。
浮き雲と過去のない男の二作で完結しているし、この二作こそがとても素晴らしい。
したがってこの三作目は蛇足という結果となり本当に残念だった。
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