アキ・カウリスマキ監督による"敗者三部作"の最終章。
ヘルシンキ。百貨店の夜間警備員として働く孤独な男が、魅力的な女性と出会い、惚れ込むのだが、、。
🐾🌭
孤独で単調な日々を送っていた"負け犬"が、ささやかな幸せを掴もうとしたことをきっかけに、不幸に見舞われ続ける。希望を捨てないこと、大切なものは意識しないほど近くにあること、最後に残るのは愛であること🤝。絶望の果てに、かすかな希望が確かにあった。監督の優しさが滲み出ていて、最後の最後に少し心癒された。
アキ・カウリスマキ作品は、モノクロ映画のような静けさと安心感がある。映像は黒青味がかっているものの、小物、インテリア、衣装など色彩は豊か。スポットライトのように登場人物を照らし出す柔らかな灯りも格別。更には、センス抜群の音楽。非常に心地が良い。
ヘルシンキのノスタルジックな街並みと港湾風景。タバコとロック、ディスコ。ソーセージ。
2006年の作品となったからか、SUBWAYやガラス張りの高層ビルなど、近代的な店や建物が映り込んでくるようになった。
アキ・カウリスマキ作品には欠かせない犬。名俳優。何とも言えない良い表情をする。
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