滝和也

日本侠客伝 白刃の盃の滝和也のレビュー・感想・評価

日本侠客伝 白刃の盃(1967年製作の映画)
3.5
あんた…死なないで…
死ぬかよ…。

足を洗った漢…
病に倒れた女と共に
流れ着いた銚子の街で…
もらった優しさ返すため
渡世の仁義を貫いて 
命掛けた…大仕事!

「日本侠客伝 白刃の盃」

高倉健さん主演の侠客伝シリーズ第六弾です。今回は健さんが流れ者。このシリーズ流れ者が必ず出てくるんですが…今回は関西編と同じく、健さんが富司純子様の病弱なおかみさんを連れて流れてきます…。故にやや関係性やお話の論理で弱い部分があるんですよね…。ストーリーは変わらず良いカタギ(または昔気質のヤクザ)が新興のドギたねえヤクザ(毎回います天津敏さん)に非道い目に合いながらも耐え、最後に…という我慢劇。今回も…あらすじがきれいにまとまってるのでそちらをご覧下さい。

このシリーズの基本形として、まず仲間や兄貴分の殴り込みか、襲撃があって…健さんに繋ぐのですが…前々作までは鶴田浩二の兄貴がいたんですが…今作は誰がそこにハマるか中々わからない辺りがミソかなぁと。逆を言えば格好良くて大看板になる方がいないと言う事にはなるんです。長門裕之、大木実、そして菅原謙二、伴淳三郎さんと…。数はいるんですよね。

それに会わせて相手役も多くて、女性陣が目立つ作品でもありました。ただどれも悲しくて…ヤクザな男に惚れたからには…という状況。故に美しく儚い…。松尾嘉代と宮澤純子さん、そして富司純子様と揃ってます。

今作は健さん、流れ者でやってくるので、その街や会社との繫がり、背景がやや弱く見えてしまい、病弱な富司純子さんを置いて行ってしまう感じに…。まぁ…義理堅い筋を通す高倉健キャラクターイメージで物語は成立してますからね。

基本形はいつもおなじなんですけと…少しづつ変わる所を探しながら楽しめるし…飽きないんですよね…。日本人の琴線に触れてるのか、安心感なのか…(笑)やっぱり見てしまう。出てくる役者さん皆好きになってしまう…。癖になるわ~(笑)
滝和也

滝和也