りょう

ナイト・オン・ザ・プラネットのりょうのレビュー・感想・評価

4.0
「ちょっと思い出しただけ」から「ナイト・オン・ザ・プラネット」を知って鑑賞。あっ、ここか!っていうところがあって嬉しい。見る順番が逆だったらもっと嬉しかっただろうな。

ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキの5つの場所、タクシーでの話。

ロサンゼルス編はウィノナ・ライダーかとにかく美しい。ガムくちゃくちゃしながらタバコスパスパ吸う姿がやんちゃだけど、その粗削りな感じがまたいい。

ニューヨーク編はドイツから来たヘルムートと、黒人のヨーヨーの話。ヨーヨーの義理の妹と期待ない言葉で罵り合っているところを、ヘルムートは愛があるって感じるところがすき。

パリ編は、最初に乗せた「肌の色や顔つきで人を判断する偉そうな男たち」と比べて、次に乗せた「生まれつき目が見えないけど、それ故に物事の本質をきちんと捉えている女性」と出会って、という話。結構この話が一番好きだったかも。

ローマ編は、「一方通行」がテーマだったのかな?一方的に話しまくる運転手と、それを一方的に聞かされる神父。とにかく印象に残ったのが、かぼちゃ…。「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメのアプリコットの使い方を思い出しました。

ヘルシンキ編は「ちょっと思い出しただけ」で言うと、あの男3人組が乗ってきたシーンに当たるのかな。ミカが淡々と語る自身のエピソードの引き込まれて具合半端ない。助手席に乗ってた男と同じ思いをしました。

タクシーの空間って特殊だなぁと思う。目的地に着くまでのその場限りの運転手とお客さんの関係。運転手の人は色んな人を見てきてるんだろうな。横柄な態度は絶対にしないようにしよう。

5つの話がそれぞれ個性を持っていて、ふとした時に思い出しちゃうようなことが詰まってる。ジム・ジャームッシュの作品はパターソンしか見たことが無かったけど、少なくとも今のところ結構好みかも。色々見てみようかな。
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