まる

ナイト・オン・ザ・プラネットのまるのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

なんか不思議な作品だった
それぞれの話がリンクするわけでもなく、伏線回収があるわけでもなく、事件が起きるわけでもなく、感情が大きく揺すぶられるわけでもないのに、不思議と引き込まれた
いい意味で、凪

キャストがみんな、ほんとにその地域でタクシーにカメラ置いてたら撮れました、くらいの自然さだった
ただしクセは凄い
でも結構客とドライバーで対照的な人物像だったから、その後の人生に影響与える一夜なんだろうなとは想像した

それぞれに譲れない生き方があったし、暖かさがあったし、真理があったし、人生の歴史があった
映画スターが全てじゃない、自分の理想とする人生設計は人それぞれである
放っておけない人に対してお節介焼いたり
肌の色なんか重要じゃないし、見えないからこそ分かることもあるし、見えてる人と何ら変わらない
喋りすぎて人の一大事に気づかない、そして死体遺棄して逃げてた
不幸に見舞われてやけ酒したけど、色んな不幸があった

街の切り取り方や雰囲気が素敵だった
照明や音響の感じも良かった
各パートの登場人物も極端に少ないし、全編通して車内で展開されるのに、不思議と窒息感とか窮屈さは感じなかった
挿入歌もおとぼけ感あって、気の抜ける感じで良かった
この作品のシュールな、クスッと笑える感じとマッチしてた
夜と日の出前という不思議な時間帯を切り取るのも素敵だった
ラスト夜明けに持ってくのも良かったな
そこで出勤する人と交差するのも良かった

これぞ人生、日常って感じだった
ほんとに、ある場所でのある夜、以上でも以下でもない不思議な作品
まる

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