こっふん

ナイト・オン・ザ・プラネットのこっふんのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

2024年 48本目

・ロサンゼルス
男勝りな性格のコーキーは、配役のエージェントをするヴィクトリアを乗せる。社内でのコーキーの負けん気の強さを感じる言動から、ヴィクトリアは彼女に適役がある、映画に出演しないかと勧誘する。しかし、コーキーは自分には理想の人生プランがあるとそれを断る。

・ニューヨーク
ヨーヨーはタクシーを探していた。やっとの思いで捕まえたが、運転手は知らない言語を話し、運転は危なっかしいものだった。そこでヨーヨーはブルックリンまで自分が運転すると言い車を走らせる。運転手は東ドイツから来たヘルムートという道化をしている男で、家族はいないらしい。ヨーヨーは道中で義妹のアンジェラを発見、家へ連れ戻す。アンジェラは怒り狂っており、ヨーヨーに罵声を浴びせ続け、ヨーヨーもそれに応戦。その様子を見ていたヘルムートはいい家族だと羨ましそうにする。ヨーヨーは自分の運転で家に到着し、ヘルムートは来た道を1人で戻っていく。

・パリ
黒人の運転手は2人の黒人客を乗せていた。彼らにコートジボワール出身であることを馬鹿にされた運転手はその場で2人を下ろす。次に見つけた客は盲目の女性。運転手は彼女の生活に興味があり、小馬鹿にした様子で質問し続けるが、彼女は皮肉たっぷりに返答する。目的地に着き、運転手は情けで安く料金を伝えるが、彼女はお見通し。これぐらいだと感じた料金(実際の料金と同じ)を支払う。彼女を下ろした直後、運転手は衝突事故を起こす。彼女はその様子を聞きながら、笑みを浮かべる。

・ローマ
おしゃべりなジーノは神父を乗せる。神父を客として迎えたことに感動したジーノは勝手に懺悔を始める。その内容は非常に淫らなもので、一方的にジーノは告白し続ける。すると神父は体調を悪くし、ジーノの猥談を耳にしながら車内で息を引き取る。神父の死に気づいたジーノは慌てて公園のベンチに遺棄する。

・ヘルシンキ
ミカは酔った様子の3人の男を乗せた。そのうちの1人、アキはその日仕事をクビにされ、娘が妊娠してしまう等人生で最も不幸な日だったと友人は話す。それを聞いたミカは自分の方が不幸な経験をしたと話しだす。ミカはやっとの思いで娘を授かったが、未熟児として産まれ、長くは生きられないと医師から告げられた。ミカは悲しみから逃げるため、娘には愛情を注がないようにしていた。しかし、ピーナッツのようでも自分の娘だと気づき愛することを決意するも、翌日娘は息を引き取ってしまった。その話を聞いた2人は号泣。ミカを励ますと同時に、アキを批判し始める。2人はアキを車内に残し帰宅。何も知らないアキは目を覚まし、料金を支払い、1人雪道に座り込む。

・まず劇場で観られたことに感動。本当にこの作品を再上映してくれてよかった。
・味のある映像、各都市の夜の雰囲気。最高。好きすぎる。
・観るタイミングによって好きなエピソードが変化するような作品だと思う。何回でも観れる。
・やっぱりコーキーがかっこよすぎる。惚れてしまうような芯のある女性。男のようなファッション、性格でありながら、運転する時はシートに電話帳を敷いてるところめっちゃいい。運転席の上にタバコ付けてるのもいい。
コーキーには明確なビジョンがあり、それを絶対に曲げない信念を持っている。かっこよすぎる。自分なら絶対に映画に出ちゃうと思う。こんな人になりたい。
・ニューヨークの話ってこんなに良かったか。去年観たときよりめっちゃ沁みた。この時のジャンカルロ・エスポシート、めっちゃムーキー・ベッツに似てる。
まず掛け合いがめちゃくちゃ面白い。ヘルムートがいいキャラだが、なにかあって家族を失ったことが窺え、生活も苦しいんだろうなと感じる。家族って一緒にいるのも嫌になることがあるけど、家族がいるってだけで十分すぎるぐらい幸せなんだと思った。金は必要だが、重要ではない。いやーめちゃくちゃいい。
・パリは盲目の女性がかっこよすぎる。周りの目なんか気にしない、自分を持っている。
・ローマは最初から最後まであほっぽくておもろい。こういう何も考えずに観れるのが1本あるのも好き。
・最後に重い話がくるな〜。ミカに同情するのはめちゃくちゃ分かるけど、アキもそれなりに不幸な身やからもうちょっと優しくしてあげてくれよ。悲しくもあり笑えるいい話。
ほんでミカってレニングラード・カウボーイズに出てる人だったのか。
・再鑑賞して、自分の人生の10本に入る可能性が高いと思った。素晴らしい作品。
こっふん

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