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ナイト・オン・ザ・プラネットのmozzerのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

どのエピソードも面白くて、ジャームッシュ作品では個人的に好きな1本。
ニューヨークのエピソードが一番面白かった。設定としてはよくあるものだけど、Fワード連発のヨーヨーと英語が殆どできないヘルメット(笑)のなんとも噛み合わない会話が面白くて。また途中から義妹が加わってのFワード合戦も腹抱えて笑った。
ヘルムートの「金は必要だが重要じゃない」という言葉について考えてみると、金も大事だけど生きていくのにより大事なことは、家族をはじめとする大切な人との関係であり、共に時間を過ごせる喜びや楽しい会話ができることなのかなと思った。
ロスのエピソードのウィノナライダーのガムの噛み方がなんとも好きになれなくて…。そのせいか彼女の演技が少し過剰に(不自然に)見えた。
最後のエピソードのヘルシンキ、カウリスマキ俳優のペロンパーがいい味出してた。仕事クビになった不幸な男の名前がアキだったのは、カウリスマキ繋がりだからか?
ミカの不幸話を聞いた三人組の一人が「世の中には本当の不幸がある」と言う場面、不幸の受け取り方は人それぞれで、他人からみれば対したことなくても本人にとっては耐えられないほどの苦しみであるかもしれない。
余談だけれど、モリッシーの曲にThat's how people grow up という曲があるけど、人に愛されないことを嘆くことは時間の無駄だなんて言ってたら、誰かの恋人になれないこと以上に、悲しく不幸なことがこの世の中にはあると自動車事故で脊髄損傷になった人に言われたというのを思い出した。(いい曲なので聴いてみて!)

パリの盲目の女性のエピソードは、今の世の中でこそより観た人に考えてほしいメッセージなんじゃないかな、片寄ったものの見方をせず、目に見えるものに惑わされず、これはこうあるべきとか決めつけることなくフラットな目線を持って、常に考えることが大切だと思います、
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