シズヲ

荒野の棺桶のシズヲのレビュー・感想・評価

荒野の棺桶(1966年製作の映画)
3.0
棺桶要素は特に無いマカロニ・ウエスタン。妻を殺されたガンマンの復讐劇というよくある感じの内容だ。オープニングから主題歌が印象的で、復讐者が背負う孤高の哀愁を鮮烈に表現してくれる。時に活劇的で、時に渋いフランチェスコ・デ・マージのBGMは作中でも秀逸に鳴り響く。

アンソニー・ステファンは男前でかっこいいけど、前評判通り演技は全体的にぎこちない。ポーカーフェイスを通り越した無表情が多いのが気になる。ヒロイン的な女優陣も複数人いる割にいずれも魅力的とは言い難く、役者の華やかさはかなり微妙。復讐劇としても伏線の張り方が淡々とし過ぎているきらいはある。

ストーリーもごくごく無難だけど、「暴虐の限りを尽くした悪党を溜めに溜めてから叩きのめす」というカタルシスはシンプルながらやっぱり痛快。ステファンのガンアクションも決して上手くはないけど、その拙さが逆に生々しさを作り出していて妙な味がある。突き抜けた魅力は殆ど無いけど、マカロニらしさはあるので一応ぼちぼち程度には見れる作品だ。
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