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蒼ざめた馬のBaadのレビュー・感想・評価

蒼ざめた馬(2004年製作の映画)
3.9
ロシア・ソビエト映画祭2006の新作映画の一本として『死という名の騎士』というタイトルで上映されたものを見ました。

実在のテロリストの手記を元にした映画と言うことで、現代物かと思って期待していたのですが、ロシア革命時の話というのでちょっとビックリ。

内容的には『ミュンヘン』と同じようなことを国内の支配者向けにやっているという感じで、娯楽性はあまりありません。
が、それだけにテロルの本質が上手く描かれており、それぞれが理由があってテロに関わっている仲間達に比べ、リーダーの内心の空虚さが印象的でした。

話の節目節目で、心理描写の様な感じで、ナイトクラブでのシーンが入るのですが、ミュージカルシーンも含め見事でした。

このところ、ソクーロフも含め、ロシア・ソビエトの映画をよく見るのですが、世界を反対側から見るとよりクリアにものが見えるようになるような楽しみがあります。

古今東西思想・宗教関係なく、血によって成立した国家の基盤というのはえんえんと流血を繰り返すことによってしか維持できないのかな、という感想を持ちました。
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