Omizu

マクベスのOmizuのレビュー・感想・評価

マクベス(1971年製作の映画)
3.8
【1973年キネマ旬報外国映画ベストテン 第6位】
ロマン・ポランスキーがシェイクスピアの有名悲劇を映画化した作品。英国アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞、NBRでは作品賞を受賞した。

鮮烈な色彩表現が印象的な佳作。ポランスキーの美的表現がとてもよく、他の作品より分かりやすくなっていたと思う。

特に圧倒されたのは二度目に魔女たちに会うシーン。地下に潜っていくと何人もの醜い魔女たちがいて、よく分からない液体をマクベスに飲ませる。するとヤク中がみる幻覚のようなビジョンが表現される。鏡から鏡へ、終わりのない夢のような悪夢が展開されて面白い。

吊された死体、転がる首など容赦ない描写が続く。厭世的な人間観が反映された世界観がみていて面白かった。

マクベス夫人を演じたフランチェスカ・アニスが素晴らしい。金髪碧眼の美女なんだけど、コーエン版のフランシス・マクドーマンドとはまた違った狂気溢れる姿を見事に演じていた。

コーエン版が今のところベストだけど、その次に好きなバージョンになった。展開が分かりやすく、色彩がいい。
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